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2007年6月 1日 (金)

「温暖化防止は一刻の猶予もならない」

◇地球温暖化がこのまま進めば大変だという意識が世界中に広がっている。温暖化の最大の原因は二酸化炭素(CO2)の増加である。そこで、遅きに失する感があるが、CO2の排出を削減することに世界中が真剣に取り組み始めた。世界のCO2対策を拾って見る。

①新たな石炭火力発電所の開発に日、米、中韓、印の五カ国が共同で取り組む。石炭を燃焼させる際に出るCO2を液化し地下にとじ込めることでCO2の排出量をほぼゼロにする。日本では石炭を使う火力発電が発電量の2割超を占める。経産省は、世界のすべての石炭火力発電所が、この新しい型になれば世界のCO2の排出量は25%減ると試算している。

②バイオエネルギーの開発が世界的に活発になった。具体的には植物を原料につくるアルコールつまりバイオエタノールへの取り組みである。植物の体は空中のCO2を吸収してつくられる(光合成)から、燃やして出されるCO2は、もともと空中から吸収したものであり全体として空中のCO2を増加させないと考えられるのだ。世界的に使われる原料はサトウキビやトウモロコシである。

 原油高を背景にブッシュ政権がバイオ燃料を後押ししたことから米国で一大ブームが始まった。今や米国はバイオエタノール大国である。この点で米国と並ぶのはブラジルである。私は、前にも触れたが、ブラジル訪問のとき、どこまでも続くエタノール用のサトウキビ畑とエタノールを販売するGSが至る所にある光景を体験した。

◇日本政府も国産のバイオエタノール製産を拡大する。「バイオマス・ニッポン総合戦略拡大会議」がその方針を示した。それによると、農水省は規格外小麦や非食用米を、又環境省は草や木や廃材などを使う計画である。

◇世界の専門家で作る「気候変動に関する政府間パネル」は、産業やビルなどの省エネがCO2排出削減に大きな効果があるとした。今年も県庁でクールビズが始まるだろうが、冷房の温度をわずか下げないだけで消費する電気量の大きな節約になる。一度で石油ドラム缶何本という数字がある。

◇米国では、企業の株主総会で株主がCO2対策を提案する動きが増えているという。

CO2対策で企業の社会的責任を株主が求めるという注目すべき動きだ。提案者の株主も、個人、環境団体、大手の機関投資家と広がっている。行政が民間の企業を指導するには限界があるが、株主は企業の所有者だから、株主の提案は企業にとって重要な意味を持つ。日本の株主も株主総会で企業のCO2対策につき提案をするようになれば大きな効果が生まれるのではなかろうか。企業にとっても、企業イメージの向上や省エネによるコスト削減などのメリットがあるはずだ。そして何よりも、地球環境の悪化が進めば企業の存立まで危うくなる株主の提案がこれを救うために役立つということが重要である。

 今後、日本の大企業の株主総会でCO2削減のための株主提案がいつ出るか注目したい。株主が企業に働きかけてその社会的責任を果たさせる一つの面白いチャンスではなかろうか。

☆土・日・祝日は、以前からのご要望により「上州の山河と共に」を連載いたします。

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