『上州の山河と共に』連載(68)「旗揚げの時」
「千人を目標に集めなければならない。組織的な動員が出来ないのだから、これは大変だ」
「しかし、小ホールがいっぱいに出来ないようでは、泡沫候補にさてしまう。どんなことがあっても、いっぱいにしなければならない」
「この陣営で、千人も集められるかなぁ」
心配そうな顔をした水洋会役員の間から、いろいろな発言が飛び交う。
「やることに決まったのだから、やるしかない。どうしたら、人を集められるか、これを考えてゆこうじゃないか」
誰かがこう発言すると、皆、異論なく、そういう方向で力を合わせてゆこうということになった。
水洋会を中心として、毎週、企画会議が開かれた。具体的な準備にとりかかってみると、3ヶ月ちょっとという期間は、非常に短いものである事が分かった。
参加を呼びかけた人を整理し、確保してゆかねばならない。その為には、入場券を作るべきだ。その入場券には、番号を付けて何番から何番までは何々会の誰が責任者ということを決めて、出来るだけ多くの人が分担して責任を分かち合って、人集めを進めてゆこうではないか、といった具合に、一歩一歩具体的に計画が練られていった。
この過程で、水洋会のある幹部が発言した。
「このイベントの目的は、県民会館のホールをいっぱいにすることだけでない。当選には、その十倍も、二十倍もの人が必要なのだ。だから、このイベントを利用して、世間の多くの人に訴えて、中村のことを知ってもらう事が必要なのだ。」
その通りであった。では、その為には何をしたら良いかということになり、結局ポスターを街中に貼るのが良いということになった。
「しかし、中村の顔写真のポスターをただ貼るだけでは、訴える力が弱い。良いキャッチフレーズと、誰か、講師として著名人の名前を出すことが必要だ。」
ということになった。
キャッチフレーズについては、知恵を出し合えば何とか見つかるだろう。しかし、講師として著名人、となるとなかなか難しかった。(28日土曜日に続きます)
★土・日・祝日は以前からのご要望により『上州の山河と共に』を連載しております。
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