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2007年3月 3日 (土)

『上州の山河と共に』連載(56)「出馬を決意」

「なるほど。君の言うことは良く分かった。でも、大変な仕事に挑戦したものだね。そうだ今度、折を見て、町内の老人達に紹介してやろうか。そこで、今のような話をしてみてはどうかね。」

「ありがとうございます。是非、お願い致します。」

 思いがけない、有り難い老人の言葉であった。この時、私は初めて、小さな手応を得た思いがした。

 この老人は、その後しばらくして、実際に十人ほどの仲間を自宅に招き、紹介してくれたのである。初めての記念すべき座談会の実現であった。この時の老人たちの温かい心は、いつまでも忘れることが出来ない。そして、この時の体験にヒントを得た少人数の座談会の開催が、その後の私の重要な作戦の一つとなった点においても、この座談会は記念すべきものであった。

 運動を始めた最初の頃は、このような良い話にぶつかることは稀で、むしろ辛いことの連続であった。

 初めての家を訪問した時、よく聞かれることがあった。

「あんた、一人で廻っているの、案内をしてくれる人はいないの」

 通常、このような運動は、秘書や鞄持ちが一緒について歩くのが当然、と一般の人は思っているのである。

 また、

「何か組織はあるの。支持母体は何ですか」

こういう質問をよく受けた。

「組織はありません。これから支持者を捜し出して、お願いして作ってもらうんです」

 こう答えると、相手は、呆れたような、失望したような表情になる。

 こんな時、私も、心の片隅では、お供の一人か二人連れて歩けたら格好が良いだろうなという思いが湧くが、すぐにそれを打ち消して、<それでは、従来のタイプの政治家と同じではないか、俺は、お供を連れて歩けないが、これこそ、一般庶民であることの証なのだ。今に見ていろ、きっと多くの人が理解してくれる時が来る、その時まで頑張り抜くのだ>、と自分に言い聞かせるのだった。

 いろいろな家を尋ねる時、良く、玄関先に張ってあるセールスマンお断りのシールが目に入る。また、ブザーを押して、玄関の戸を開けたとたんに、

「間に合っていますよ」

 などと言われたりすることが度々ある。このようなことを経験する中で、私は、ある時、自分もセールスマンなのだと気付いた。考えてみれば、まさに自分を売り込もうと努力しているセールスマンなのである。

☆土・日・祝日は以前からのご要望により『上州の山河と共に』を連載しております。

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