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2006年11月21日 (火)

「多選自粛条例・高い倫理観や資質を有する場合も」

 今月6日の「日記」で多選自粛について書いたら、意外に多くの反響があり、その中に、高い倫理観を持つ人は別ではないかという意見があった。私は、高い倫理観を持ち人格高潔な人物が首長になった場合でも、多選には弊害が伴うと考えるのである。

 ここでは、東京都杉並区の条例が大変参考になると思う。杉並区は、03年、区長の任期に関する条例を可決した。

(目的)

 第1条、「この条例は、杉並区長が杉並区を統括し、予算の調整及び執行、職員の任免、その他の権限を行使する地位にあることにかんがみ、区長の在任期間について必要な事項を定めることにより、高い倫理観や資質を有する場合においても、その者が長期にわたり区長の職にあることに伴う弊害を生ずるおそれを防止し、もって区政運営の活性化及び区の自治の更なる進展を図ることを目的とする。」(傍線は中村)

(区長の在任期間)

 第2条、「区長は、通算して3任期を超えて存在することのないように努めるものとする」

◆なぜ多選は良くないか。何度も書いているように、強大な権力が一点に長期間集中することにより、法律には直接触れなくとも、民主主義の精神から好ましくない弊害が生ずるからだ。例えば、政治の独善化、人事の偏向、まわりがものをいえなくなる「裸の王様」現象など。

「有権者の判断に任せる」というのも、民主主義の理想論を逆手に取った論法である。なぜなら、知事は限りなく多い許認可の権限や、予算面での助成金制度を通して選挙では絶対に強い存在だからだ。だからこそ、選挙に任せられないとする多選制限論が主張されるのである。在職18年で逮捕された佐藤・前福島県知事は、「辞任の時期は各知事の判断と県民の批判的な判断に委ねられる」と主張していた。

◆多選を制限すべきもう一つの論点。

 それは、現在、地方の時代といわれ、地方分権が大きく進められ、知事の権限は更に大きくなろうとしているが、知事の権限をチェックする役割を負う県議会の権限は、制度上不十分であることだ。一例を上げれば、議会招集権は、議会にはなく知事が握っている。つまり、知事と議会が互いをチェックするという本来の二元代表性が機能していないのである。

 国は従来の考えを改めて、多選を制限する法律の制定を前向きに検討し始めたとされる。しかし、国の法律で一律に多選を制限するとなると、今度は地方分権を守る点から問題が生ずる。それぞれの地方が条例で多選を制限すること、法律は、それを後押しする、こういう方向が妥当なのではないか。

 岩手県知事は、先月末、3期で引退することを表明した。現在1期の神奈川県知事は、昨年多選自粛条例を議会で否決されたが、今度は、多選禁止条例を出す方向で準備を進めている。(知事の多選を正しく判断する気運の盛り上がりを願って。読者に感謝)

★土・日・祝日は以前からのご要望により「上州の山河と共に」を連載しております。

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