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2006年10月30日 (月)

必修漏れ、全国に広がる。事の本質は

 41都道府県404の高校に必修漏れがあるという(28日現在)。本県でも五校に存在することが分った。この問題は、24日、富山県の県立高校で発覚し、その後、全国の高校で発覚が続いた。連日、この問題が大きく報じられている。「この騒ぎは何か」と私に問う人がいた。事は重大なのだ。 高校で学ばなければならないことを定めた学習指導要領の無視である。必修漏れのままでは卒業できず、大学にも進めない。1科目を履修するには70回以上の授業を受けねばならない。入試を間近にした受験生にとって衝撃は大きい。高校は、「漏れ」を隠すために、教委に虚偽の報告をしていた。不正をした高校側の責任、事態を把握できた筈の教委の責任、これは共に重い。 何故このようなことが起きたか。授業時間数の不足と受験対策のためである。学校五日制が導入され公立高は授業時間が減った。また、進学実績を上げたいために受験に有利な科目を選び、受験に必要ないと考える科目は必修であっても授業しなかったということだ。 「教科書があるのに授業がないので変だと思ったことがある」、「テストを受けていないのに成績表には点数が書かれていて変だと思った」、このような高校生の声が伝えられている。必修漏れを指摘された高校は、補習授業をやるというが、これから受験勉強に全力を注がねばならない生徒にとっては大変なことだ。学校に対する怒り、不信、戸惑いが起きるのは当然である。安倍首相は、子どもたちの将来に問題が発生しないようにと文科省に検討を指示したとされる。文科省は、救済策を検討するようだ。 非常に多くの生徒が被害者なので責任追及よりも救済に重点が置かれているという面も否定できないだろう。しかし、「漏れ」にされた科目は何故必修とされているかを私たちは、考えねばならない。高校生として身につけるべき教養として必要だからである。例えば、世界史の必修漏れが多いらしいが、世界史の理解は国際化の進む社会で生きる若者にとって非常に重要だからである。必修科目を教えなかった高校は、受験という目先のことにとらわれて大きな間違いを犯したというべきだ。このようなことは、かなり前から行われていたらしい。把握できた筈の教委は問題を深刻に受け止めて欲しい。 ◇生徒の自殺が続いている。 福岡県筑前町の中2男子のいじめによる自殺が大問題になっている矢先、岐阜県の中2の女子生徒が遺書を残して自殺した。両親はいじめだといっているが判断が難しい点もあるようだ。女子生徒は、バスケットで他の部員より技量が遅れていて迷惑をかけた、お荷物になったと言っている。パスをわざと遠くに出されたとも。 一つの事件は連鎖するかのようだ。死にたいと悩む生徒の頭で、福岡県の中2男子のことがひらめいて働きかけるのだろうか。そして、今度は、長崎県の高1女子生徒が首をつり重体だということが報じられた。社会の病弊が伝播することを全力で阻止しなければならない。子どもたちが萎縮することも心配だ。                    (教育環境の正常化を願って。読者に感謝)                                                          ★土・日・祝日は、以前からのご要望により、「上州の山河と共に」を連載しております。  11月10日、グリーンドームで、面白い集いがあります。読者の参加を期待しております。

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