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2006年10月24日 (火)

安倍首相が教育改革を第一に挙げる理由

 教育をめぐる問題は誠に深刻である。最近は教師の軽率な行為が生徒の自殺の原因となる事件が起きた。教師の見識が問われる事件でもある。時、あたかも不適格教師を排除するべしという声が政府の一角でも高まっている。福岡県の中二男子を自殺に追い込んだ教師の事件は、この世論の火に油を注ぐ結果になるかも知れない。

 死んだ生徒の母親は、息子がインターネットでアダルトサイトを見ていることを担任に相談したら、この担任は、他の生徒の前でこのことを話したという。そして、これがきっかけで、名前をもじった心無いアダ名がつけられ、生徒は学校に行きたくないというようになりやがて死を選ぶ。

 担任の教師は、自分の言動がどのような意味を持つか分らなかったのだと思う。それがいじめの原因となり、対象となった生徒の心をいかに傷つけるかに気付かなかったのだ。このようなデリカシーのなさに教師としての不適格性が表われている。

 学校の対応もかなり混乱しているようだ。例えば、いじめの実態を調べる手段として教師と生徒を対象にアンケートを行っているがその方法も批判されている。第一回は、死んだ生徒の両親が記名だと本当のことを書かないから無記名でと再三要求したのに記名式で行った。二回目は無記名で行ったが、「これから学校に期待すること」というような聞き方なので、真相を見つけることが出来ず、近く三回目のアンケートを実施するそうだ。このような事件に巻き込まれた場合の学校、PTAなどの見識が問われている。日本全体の教育がかかわる問題なのだから、もし私たちだったらどうするかという意識で注目すべきだ。

 今度は先生の自殺が起きた。報じられるところによれば、校長によるいじめがあったようだ。「パワハラ」という耳慣れない言葉が現われた。パワーハラスメントの略である。ハラスメントとは、困らせる、悩ませる、苦しめるなどという意味。セクシャル(性的)ハラスメント、略して、セクハラが問題になってきたが、今度は校長の力(パワー)によるものだから、パワハラなのだ。この教諭は、職場で、校長から繰り返し怒号を浴びせられたという。遺族から葬式への参列を拒否された校長は、現在体調不良を理由に休養中らしい。

 教師が抱えるストレスは大きいようだ。9月議会でも問題になったが、うつ病などの精神疾患が原因で休職する人が非常に多いのだ。教師の病休の3分の2に当たる。最近は特に増えているという。精神疾患の多さは、現代社会の特色だが、教師の場合、ストレスの多さも一因ではないか。

 教師は、純粋培養型の人が多く一般にストレスに弱いといえるかも知れないが、地域社会で教師を温かく支えることが必要だと思う。自己中心の親が増え、すぐに教師を攻撃する傾向がある。教育委員会は見識を示して、社会の悪い雰囲気の中で、弱い教師を守ってやるべきで、世論に何でも迎合してはならない。

(学校の正常化を願って。読者に感謝)

★土・日・祝日は、以前からのご要望により「上州の山河と共に」を連載しています。

☆11月10日、グリーンドームで、面白い集いがあります。読者の参加を期待しています。

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