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2006年9月28日 (木)

議案調査、初校の検討、ある出会い

「議長日記」が本になる。上毛新聞に奨められ、作業を進めていたが初校が出てその検討会を昼休みにした。読み易いように、手頃な分量にして第一巻、第二巻として出す。各巻の表紙は、画家の茂木紘一氏、と「望郷の叫び」の表紙を描いたアマチュアの反町隆子さんがそれぞれ受け持って、「県庁舎と議会棟」を別の角度から扱った楽しい絵が出来た。朱の入ったページをたどると、議長時代の生々しい緊張感が甦る。県政を振り返る一つの資料として多少の役割を果たせるかもしれない。産まれてくる自分の子どもとの出会いを待つような気持ちになった。

◆夕陽がしずみかけた頃、滝窪町のある家を訪ねた。合併で前橋市になったところである。通りがかりの全く未知のお宅であったが現れた年配の女性は私のことを知っていて上がっていきませんかと言う。このような時、私はよいチャンスとばかり図々しく上がり込むことにしている。過去には食事時のことで、すすめられるままにご飯をご馳走になったこともある。このような時、短い時間ではあるが、楽しく語り合うことは、お互いに忘れられない思い出になるもので、それがきっかけとなって必ず支援者になってくれるものだ。

 この日は特別の出会いが待ち受けていた。居間に通されると謹厳実直そうな主人が暗い表情をして座っておりそのそばで孫の女の子が玩具を相手に無心に戯れている。世間話をするうちに、女性は、お父さんは身体の具合が悪いと言い出した。どこですかと聞くとこの主人は、大腸がんで肝臓に転移した、抗がん剤は副作用が酷いので使わない、今、身体に効く温泉を探しているが評判のところは予約が取れないし源泉のところも分からないと言い、集めた女性週刊誌やパンフレットなどの厚い資料を指さした。そして、山梨県の増富温泉が良いらしいがとぽつりと言った。

 私が捜してみましょうと、私はケータイで、104を押し、増富温泉の観光案内を聞き出し、TELしたが午後4時半までということでダメ、北杜市の市役所につなぐと観光課の職員が出て、事情を話すと親切にラジューム温泉の元湯を教えてくれた。御主人と短く打合せし、教えられた元湯何何館にTELすると、同じような客の予約で一杯だが市の紹介ならばということでよい部屋を都合してくれた。10月11日から10日間とういうことで予約が成立した。ケータイを押す私の手元をじっと射るような眼差しで見詰める主人の顔を見て、生と死に直面した人間の心の厳しさを感じた。

「これも何かのご縁だと思います。温泉につかって心をリフレッシュして頑張ってください」わたしは、こう言って真っ暗になった外に出た。

 私は、昔、妻が末期の癌を宣告された時、京都の大学に談判してインターフェロンを送ってもらったりぎりぎりの行動をしたことを思い出した。自分の命の火を真剣に見詰める人に接し私は謙虚な気持ちになった。戦い抜いて欲しいと願った。

(癌と闘う人々の回復を願って。読者に感謝)

★土・日・祝日は、以前からのご要望により「上州の山河と共に」を掲載いたします。

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