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2006年9月10日 (日)

気にかかる中国の事情

 中国帰国者協会の人たちと話す機会があった。私は,長いこと中国と関わっているが,この人たちは残留孤児を中心とした、日本と中国に特別な関わりを持つ人たちである。皆、最近の中国の目覚しい経済の発展については、大きな関心を持っているが、中国社会が多くの難しい問題を抱えていることを肌で感じているようだ。彼らがよく口にすることは一人っ子政策の行き詰まりと格差のことだ。

 中国の人口は現在13億人。昔、「支那に4億の民がいる。」と言われた。6070年でこれだけ増えたのだから驚く。海外に出ている中国系の人も多い。現在、世界の人口は60億人だから4人に1人は中国人ということになる。

 中国は増大する一方の人口を抑制するために一人っ子政策をとってきたが、それを貫くことは不可能で早くから破綻が言われてきた。

 中国へ行くと、子どもが王子様、王女様として扱われていることに気付く。豊かになる中で心の弱いわがままな子に育つのではないか、あの子らが将来何人の老人を支えることになるのかと、恐らく日本と似た現象が進むことを私は複雑な思いで見たことがあった。

 最近の中国統計局の調査では、65歳以上の高齢者が1億人を超えた。当局は、他国で30年〜40年かかる高齢化が10年しか要しなかったと指摘している。中国は法律制度が未整備である。だから社会保障制度などもまだまだ。伝統的な地域の連帯は薄れていくだろうから高齢者福祉は深刻な問題になるだろう。

 「格差」は中国にとって極めて重要だ。大変な富者が生れる一方、地方へ行くと信じ難いような貧しい生活の人がいる。社会主義は平等を目指すことが第一ではないかと、時代の流れに取り残されたようなくらい村落を見て憤りを感じたことがある。

 更に中国にとって深刻な問題として「環境」がある。一昔前は、大群が動くように自転車が走っていたが、今は、それが車に変わった。13億の人が車に乗るようになれば、地球の破壊は一気に加速するだろう。

 自動車ばかりではない、工場から出る有害物に対する対策が遅れている。国民は日本のように権利を主張できないが公害は、今や最も重大な社会問題の一つである。自然環境の破壊はすさまじい。砂漠化が急速に進み、大きな川では断流が起きている。「百年河清を待つ」と表現された黄河では、水がほとんど流れていない。

 中国は中華思想の国で、今でも大国意識が強い。自由主義経済を取り入れて欧米の仲間入りをしたが、現在の実情では大国とはいえない。環境、人権、福祉などを克服して真に豊かな国になるにはまだまだ時間がかかる。日本は、無理をして近代化を突っ走ったが、その過程で蓄積した財産は測り知れない。それを生かす時が来た。

(隣国中国の真の発展を願って。読者に感謝)

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