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2006年7月24日 (月)

ふるさと塾はジャンヌ・ダルク

 今月のふるさと塾は、ジャンヌ・ダルクだった。単に興味をかき立てることが目的ではなくフランスという国を深く知る一助になればという思いで話した。パリの街角の、甲冑で身を固め馬にまたがるジャンヌの像を映像で紹介するところから始めた。像の前には私が立っている。02年にパリを訪ねた時の写真である。

 フランスで最も人気のある人物が三人いるという。その一人がジャンヌ・ダルクである。あとの2人はベルサイユ宮殿を建てたルイ14世及びかのナポレオンである。ジャンヌは謎に満ちた存在であるにもかかわらず、他の2人よりフランス人にとって重要であるようだ。金色に輝くパリのジャンヌ像は、このことを訴えているように思えた。ジャンヌが生きたのは15世紀前半、日本では室町時代である。

 普通の少女であるジャンヌがフランスを救えという「声」を聞いたのは13歳の時。ジャンヌは、神の声と確信し、やがて白馬にまたがり先頭に立ってイギリス軍を次々に破る。しかし、ジャンヌはイギリス軍に捕らえられ裁判にかけられ魔女として火刑に処せられる。19歳であった。仏王シャルルがイギリスを大陸から撃退した後、ジャンヌは裁判によって魔女でないことが認められ復権する。この二つの裁判の記録が残っていて、読むと少女の素直な心が伝わってくる。興味あることは、第二次世界大戦の後、バチカンによって、ジャンヌが正式に聖女に列せられたことだ。

 イギリスとの戦いの天王山であったオルレアンでは、今でも、勝利の日を毎年、祝日として祝っている。ジャンヌ・ダルクが救国のシンボルとして現在もフランス人の心に生きていることが分かる。一方で合理的な理念を掲げてフランス革命を達成し近代国家をつくったフランスは、他方で合理主義とは矛盾するジャンヌの存在を国家の中心にすえている。ここに、芸術と文化を愛するフランスの特色が現れているといえる。ジャンヌが生きたのは暗黒時代といわれた中世だが、そこからは、現代社会を底の深いところで支えるパワーが流れている。それを大事にしているフランスは見習うべきだと思った。

 終わりに近い時間で血なまぐさい歴史を繰り広げてきたフランスに死刑制度がないことに触れた。ペルー人のヤギ被告が幼女を殺したことについては死刑を求める声が強い。因みに、ペルーには、国家反逆罪を除いて死刑はない。現在、79の国が法律上、23の国が事実上、それぞれ死刑を廃止している。日本とアメリカは人権尊重を掲げる文明国であるが死刑存置国である。塾では大方の人は死刑制度は当然と考えているようだ。09年から刑事事件に裁判員制度が始まる。私たちは、裁判の場で死刑と向き合う可能性がある。だから刑罰につき日頃から関心を持たねばならない。塾では、このことにも話を進めた。(刑罰についての理解が深まることを願って。読者に感謝)

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