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2006年7月 8日 (土)

女児殺害、無期懲役を考える視点

 ペルー人、トーレス・ヤギ被告は、小1の女児に性的暴行を加え、その姿を見ながら自慰行為をし殺した。死刑か無期か注目されていたが、広島地裁は無期懲役の判決を下した。被害者の父は、「復讐のために頑張ってきたが、敵が討てず悔しい」と語った。初公判からわずか50日で判決となった。死刑の基準は何か、無期懲役とは、性的犯罪の特徴は、遺族の感情は等、考える論点が非常に多い。

(1)死刑にしなかった主な理由として判決は、被害者が1人であること、前科が証明されないことを挙げている。ヤギ被告にはペルーでの前科があるといわれるが検察は立証が間に合わなかった。だから高裁段階で、この点の立証があれば死刑になることも考えられる。

(2)従来の裁判は長い時間がかかった。今回、50日で判決に至ったのは「公判前整理手続き」がとられたからだ。事前に争点を絞ってその点を集中審理する。この制度は、近く始まる「裁判員制度」とも関係。民間人が裁判に関与する場合、長期の裁判には対応が難しいからである。

(3)復讐に燃える被害者の気持ちは痛いほどわかる。形を決める一つの要素として被害者の感情を考慮することは当然だが限度がある。国が復讐に加わるべきではないからだ。

(4)仮釈放につき、判決は、「一生をもって償わせるのが相当であり、仮釈放は可能な限り慎重な運用がなされるよう希望する」と意見を加えた。判決理由では、地裁は、死刑にすべきか苦しみながら無期にした。しかし、死刑と無期はあまりに違いすぎる。無期刑は終身刑ではない。通常、仮釈放で出所が許される。これを知っているからヤギ被告は、判決を聞いて、両手を合わせ神様に感謝しますと叫んだという。判決で、仮釈放は慎重に、という意味がわかる。死刑制度には、当否をめぐりいろいろな意見があるが、死刑と無期の間に終身刑がないことが、死刑制度の運用を難しくしている面がある。

(5)性犯罪は繰り返されるという。そこで法務省は、出所後のデータを警察に渡し、マークできるようにした。群馬県も3人ほど把握している。

 このような事件につき、私たちは裁判員になる可能性がある。日ごろから、犯罪、刑罰につき意識を高めておかねばならない。

 なお、ヤギ被告の母国ペルーには、殺人や強姦などの重要犯罪に死刑は定められていない。死刑があるのは、国家反逆罪に限られるという。しかし、ペルーが人命を尊重する国とは思えない。日本は人命尊重を国是とする国である。この点からも、死刑を中心とする犯罪の在り方と運用は重大である。

(この事件は最高裁まで行くだろう。忘れないで見守りたい。読者に感謝)

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