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2006年7月19日 (水)

モーツァルト生誕250周年

オーストリアのザルツブルグの音楽祭に多くの日本人が訪れるらしい。モーツァルトが生きた時代はどんな時代だったのか。私の先月の、「ふるさと未来塾」に出席した人は、すぐにマリー・アントワネットを連想するだろう。私は、先月マリー・アントワネットを通してフランス革命の話をした。その中の一つのエピソードをしてモーツァルトに少し触れたのである。6歳のモーツァルトが自分の演奏会でアントワネットに出会って王女とは知らず、「大きくなったら僕のお嫁さんにしてあげる。」と言ったという。マリー・アントワネットは、オーストリアのハプスブルグ家からフランスの王家に嫁ぎ、フランス革命に巻き込まれて断頭台でギロチンで処刑される(1793年)。38歳であった。モーツァルトが死んだのは、この2年前、やはり35歳の若さであった。日本は、江戸時代で、アントワネットの死の10年程前に浅間山の大噴火があった。

 音楽祭では「フィガロの結婚」に人気が集まるらしい。モーツァルトは歌劇の作曲をしたがもとの喜劇はボーマルシエの作である。この喜劇はフランス革命前の民衆に歓迎されたという。それは、貴族の特権を痛烈にやっつける思想が流れているからである。マリー・アントワネットも「フィガロの結婚」のファンであったという。

フランス革命は人間の平等を掲げて旧体制を壊し、近代社会の基礎を築いたが、平等に反する典型は生まれによる差別である。フィガロは殿様を次のようにやっつける。「あなたはご自分ではえらい人物だと思っていらっしゃるが、あなたはその地位を得るためにそもそも何をなされた?生まれるだけの手間をかけた、ただそれだけではありませんか。」

 当時、人々の生活は惨めで、不平等な社会の矛盾は極限に近づいていた。そして、啓蒙思想が普及し、人々は、この矛盾、特に生まれによる差別の不合理に気づき始めていた。この不満が原動力となって爆発したのがフランス革命である。フランス革命が打ち出した思想の力はすさまじかった。大西洋を越えてカリブ海のフランスの植民地の奴隷の心を突き動かし、世界で始めての奴隷による独立国を生み出すに至ったのだ。それがドミニカ共和国である。人種の差別も革命の思想が強く否定するところであったのだ。

 人種差別といえば、最近のサッカー試合に、フランスのジダン選手が引き起こした事件の背景にも、人種差別の問題があったらしい。ジダンはアルジェリア出身の移民2世といわれる。フランス革命から200年以上経った今日も人種差別の問題は地球上の多くのところにある。モーツァルトの生誕祭も歴史的背景を踏まえると一層興味がつのる。

(人間の平等が実現することを願って。読者に感謝)

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