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2006年6月30日 (金)

警察白書を読む―交通事故と高齢者

 17年度の白書は、「世界一安全な道路交通を目指して」と題する特集を組んでいる。私は現在、文教警察常任委員であり、交通事故に大きな関心を持つ。特に高齢者が関わる事故は深刻だと思う。つい先日、私が尊敬する高齢者がトラックと正面衝突し生死の境をさまよう重症を負った。

 白書の資料をみると、交通事故の死者は昭和45年がピークでおよそ17千人。平成16年は約7千人に減った。警察庁は死者を5千人以下にするという目標を掲げている。死者は減ったが交通事故は増えている。そして高齢者の事故は増えており、超高齢社会が近づく中、高齢者の交通事故対策は最重要課題である。

 白書は、高齢者にとって、自動車が日常生活に不可欠な移動手段だから運転を制限することには慎重な検討を要するとし、高齢者が安全に運転を継続できるような施策を充実させようとしている。

 主なものは、(1)信号機の工夫と設置、道路標識の大型化・高輝度化、(2)高齢運転者の運転免許制度の見直しなどである。(2)については、最近、認知症との関係が深刻である。たとえば、平成16年、認知症の疑いのある高齢者が東名高速道路を逆送し衝突し死亡する事件が起きた。その他にも「高速道路逆走」をしばしば耳にする。現在、認知症であることが判明した者については、免許の取り消し等の処分を行うこととされている。

 調査によると、70歳以上の人の運転につき9割を超える人が危険を伴うと認識しているが、高齢者は、買い物や通院のために車を利用する人が多く正に生活の足になっていることがわかった。

 また、高齢者に運転免許証の返納を考えたことがあるかという質問には、85%の人が「ない」と答えている。また、免許証の有効期限を短縮する「必要性」については、高齢者以外の人は72.4%、高齢者では49.6%が必要と答えている。そして、免許証に定年制を設ける必要性については、高齢者以外の44.9%、高齢者の37%が必要と答えた。

 高齢化は今後更に進むが、高齢者の積極的な社会参加は重要なことで、そのためには車は欠かせない。そして誰もが高齢になるから他人事ではない。高齢者のための道路交通環境の整備、高齢者のための交通安全教育などが急務であると白書は訴えている。自動車運転のマナーを厳しく指導しようとする最近の動きも、高齢者対策と関連する。

(高齢者が安全に動ける交通環境を願って。読者に感謝)

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