« 「シェーン」と「大いなる西部」を見る。 | トップページ | 陸自イラク派遣、隊旗授与式(6日) »

2006年5月11日 (木)

県立病院の治療費未収金を真剣に考えよう

 私は4月18日の「日記」でこの問題を取り上げたが5月9日の新聞は、これを大きく報じている。問題の根本に何があるのか再度取り上げて考えてみたい。

 古来、「医は仁」といわれる。それは、医が、人間にとって最も大切な健康や生命に直接関わることだからである。その故に、治療費を払えないという患者に対して治療を拒むことは出来ない。また、治療後の請求についても強硬手段には限界がある。

 県病院局は、「未収額は年々雪だるま式に増える」と言っている。また、回収のための地道な活動を行なっていると答えているが、最善の努力がなされているかを問いたい。まず未払いの理由を分析して、それに応じた対応を考えるべきである。

 4月18日の「日記」でも触れたことだが、私が日赤病院から得た資料では、日赤の場合、未払いの理由の中に、「支払い意思なし」が39%もある。驚くべきことだ。ここには患者のモラルの低下があるに違いない。このような傾向が広がっていることは重大である。あるテレビの取材で治療費の支払いはNHKの受信料と同じだと答えた主婦がいた。

 全ての自治体が同様の深刻な問題を抱えているが、工夫によって回収の実績を上げているところもある。モラルの低下に対応するには、毅然とした対応をなすべきである。

 県立病院の治療費回収については合わせて考えるべき問題がある。それは、大きな赤字の存在及び多くの県民が「愛県債」を買って県立病院を支えているという事実である。

 県立四病院では、一年間におよそ14億円の赤字を出している。また、日本一の県立病院をつくるために県民が買った愛県債の総額は百億円を越えた。県は、愛県債を買った県民の熱意にこたえるためにも経営の健全化に全力を尽くさねばならない。治療費回収はこの点につながる問題であることを銘記すべきである。

 病院の経営と医療の質は別だと考える人もいるらしいが決してそうではない。赤字経営を続ける中で、病院の良好な医療環境を整備することはむずかしい。私は、かつて、全国自治体病院の中でワースト1といわれた坂出市立病院を立ち直らせた経緯を調査したことがある。その時感じたことは、赤字体質が続くと、病院全体の志気が下がるということである。医師だけでなく病院で働く職員も含めた全員が患者の尊い生命と健康を支えるという使命観が求められている。健全な経営は良質な医療と不可欠なのだ。

 なお、県立病院の赤字と香川県坂出市立病院の改革については、昨年11月2日の「日記」で触れた。(真に日本一の県立病院の実現を願って。読者に感謝)

|

« 「シェーン」と「大いなる西部」を見る。 | トップページ | 陸自イラク派遣、隊旗授与式(6日) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 県立病院の治療費未収金を真剣に考えよう:

« 「シェーン」と「大いなる西部」を見る。 | トップページ | 陸自イラク派遣、隊旗授与式(6日) »