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2006年5月 8日 (月)

改正草案を通して憲法を考える(8)完

 7回で終える予定であったが、地方自治に触れねばならないと考え、8回となった。日本国憲法は、明治憲法にはない地方自治の規定を設けた。これは民主憲法の特色である。民主主義とは「民」が政治の「主」になる仕組みである。だから地方の住民が地方のことを自ら決めるという地方自治は、民主主義を実現する基本的な原理なのだ。

 現憲法は、地方自治につき一章を設けたがその中味は簡単なものであった。しかし、この憲法の下で地方自治の現実は大きく進んだ。今日の「地方の時代」といわれる状況は、地方自治が発展した姿である。また、「三位一体改革」が叫ばれ、平成の大合併が進み、道州制までも現実味を帯びてきた。これらは、いずれもこれからの地方自治の発展と大きく関わる。

 憲法改正に当たっては、地方自治の大きなうねりを見すえて、地方自治の新しい理念や位置づけを示す必要があると思う。そこで、草案の主な点を紹介して考える資料に供したい。(草案とは自民党の新憲法草案のこと)

 まず、地方自治の本旨として、「地方自治は、住民の参画を基本として、住民に身近な行政を自主的自立的かつ総合的に実施することを旨として行なう(91条の2、1項)、「住民は、その属する地方自治体の役務の提供を等しく受ける権利を有し、その負担を公正に分任する義務を負う。(2項)」

 「住民の参画」ということは、県政の場でもよく使われる。住民が地方の政治に参加して、その活力を生かして、地方の特色を発揮させる。これが新しい時代の民主主義の姿である。また、住民が公正に負担を負う「義務」が定められている。

 次に国と地方の役割分担につき、「国及び地方自治体は、地方自治の本旨に基づき、適切な役割分担を踏まえて、相互に協力しなければならない。92条」

 民主主義の原則、それを実現するための地方自治を考えるなら、国が上で地方は下ということは許されない。国と地方自治体は、対等であるべきで、ことなる役割を分担することになる。(国は、国防、金融、外交など)。

 自治体の財源につき、「地方自治体の経費は、その分担する役割及び責任に応じ、条例の定めるところにより課する地方税のほか、当該地方自治体が自主的に使途を定めることが出来る財産をもってその財源に充てることを基本とする。(94条の2、1項)」(2項は、国が必要な財政措置を講ずべきことを定める)

 地方の自治を高らかに宣言しても、財源の多くを国に握られていては、自治を実質的に実現することはできない。「三位一体改革」はこの点を改革しようとしたもの。地方自治の行政を見守りたい。(地方の時代の進展を願って。読者に感謝)

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