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2006年5月10日 (水)

「シェーン」と「大いなる西部」を見る。

 ゴールデンウィークに、古いビデオを何本か取り出して楽しんだ。私は、若いころ西部劇が好きでかなり凝っていた。今回見た中で「シェーン」と「大いなる西部」(ビッグ・カントリー)がよかった。過去に何度か見ているが、しばらく時をへだてて見ると再発見があり新鮮なものが伝わってくる。2つの作品からはアメリカの若い力、そして、国境を越えて自然に受け入れることが出来る人間の正義感が伝わってくる。

「シェーン」では、アラン・ラッドが演ずる流れ者のガンマンがいい。美しい残雪の山に囲まれたワイオミングの開拓地には荒々しい拳銃使いより、ラッドが演ずるような静かな男がふさわしい。ジャックパランスが演ずる黒づくめの殺し屋も、主役のシェーンを、対照的なムードで引き立てている。

 決闘の場面を、ドアの下から犬とともに息を呑んで好奇心の塊のように見詰める少年の姿は、当時のアメリカの健全な子どもたちを象徴しているようだ。秘かに心を通わせる人妻との間にはキスシーンもなくシェーンは去っていく。最後の「シェーン、カムバック」と叫ぶ少年の姿もこのような流れの中で生き生きと心に響く。

「大いなる西部」(ザ・ビッグカントリー)は本格的な西部劇だ。少佐の娘が東部で出会った婚約者をつれてテキサスの広い牧場を馬車で進むシーンは、「ジャイアンツ」の場面と似ている。グレゴリーペックが演ずる東部の男の行く手には、2人の牧場主の因縁の対立が待ち受けていた。チャールトン・ヘストン演ずる牧童頭は少佐の娘に思いを寄せていた。ジーンシモンズが演ずる先生と東部の男はやがて結ばれることに。

 若い頃この映画を見て焼きついている場面は、夜の歓迎パーティーの出来事だ。銃を持った大きな黒い後姿が暗闇から現われて近づく。男がドアを開けて立つと会場は異様な光景にうたれたように物音一つせず静かになる。

「少佐よ、お前のような偽善者はいない。今日俺の村を襲って女や子どもを脅したが二度と村へ入ったら、このあたりは血の雨になるぞ、命など惜しくはない」男はそう叫んでライフルを少佐の前に投げた。バール・アイブスが演ずる牧場主・ヘネシーの迫力は、やはり凄い。月光の下で果てしなく続くペックとヘストンの殴り合い。チャックコナーズはヘネシーの出来の悪い息子を演ずる。ペックとコナーズの作法に従った決闘の場面では、卑怯にも先に抜いた息子を立会人の父は約束どおり撃った。「トールドユー、トールドユー」(言ったではないか)と言って息子を抱きしめる姿があわれだった。

 思えば西部劇によってアメリカが好きになった私であった。現代の病める大国はどこへ向かうのか。イラクの戦いは二人の牧場主の争いを思わせる。(連休による心のリフレッシュを願って。読者に感謝)

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