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2006年5月 7日 (日)

憲法改正を考える(7)

憲法改正という観点から憲法を考えてきた。早足で進めたので極めて不十分であることは承知の上である。皆で憲法を考える小さなきっかけになればと願う。今回は、草案に現われている、前回までに触れなかったいくつかの問題点を取り上げたい。そこには、現代社会の動きが反映されているから考える材料になる。

 現憲法は、平等を定める14条で「全て国民は、法の下に平等であって、人種、心情、性別、社会的身分、門地によって、政治的、経済的、社会的関係において差別されない」と定めるが、草案は、新たに、「障害の有無」を加えた。現在の14条の下でも、障害の有無で差別することは許されないが、明文で示されたことの意義は大きい。

 草案は、「表現の自由」の保障に続けて、国は、国政上の行為につき国民に説明する責務を負う」と定めた。今日、県政の上でも説明責任ということが強調される。過日、小寺知事がテレビ出演する理由の中でも説明責任があるからと言われた。国民は主権者であるから国が国政につき国民に説明責任を負うことは当然のことである。これは、「表現の自由」の解釈から、又は、知る権利という概念からも導かれるが、国の説明責任を明文で定める意義は大きい。

 草案は、「衆議院の解散は、内閣総理大臣が決定する」と定めた。実は、現憲法では、衆議院の解散はどこで決定するかにつき明文がなかったのである。そして、いくつかの規定の解釈から内閣に解散決定権があるというのが通説であり、実際の慣行であった。 内閣総理大臣が解散の意志を固め、閣議で決定しようとするとき、反対の大臣がいれば、この人を罷免して、賛成する人を大臣にすえて、内閣として解散を決定することが出来た。現に、過日のいわゆる郵政国会で、小泉首相は、そのような手法をとって解散に踏み切ったのであった。

 衆議院の解散権の所在という重要問題について明文の規定がないことは現憲法の不備であったと思う。草案は、「第69条の場合その他の場合の衆議院の解散は内閣総理大臣が決定する」と定めた。

69条の場合」とは、衆院で不信任案が可決された場合10日以内に「衆院が解散」されない限り、総辞職しなければならないとあるので、この場合の解散決定のこと、「その他の場合」とは、7条で、天皇は、内閣の助言と承認により「衆議院を解散」するとあり、実質的に解散の決定する場合のことである。(続く)

(憲法を知ろうとする人の輪が広がることを願って。読者に感謝)

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