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2006年5月 6日 (土)

新憲法草案・憲法改正を考える(6)

国民の責務

現憲法には、権利の規定が多く、国民の義務や責任の規定がないという批判がある。現憲法が定める義務や責任として、先ず、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のために利用する責任を負う(12条)」があり、その他、子女に普通教育を受けさせる保護者の義務、勤労の義務、納税の義務などを定める。

新憲法草案は、この三つの義務を定めると共に、12条の内容を次のように変えた。

「・・・国民は、これを濫用してはならないのであって」の次を「自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚しつつ、常に公益及び公の秩序に反しないよう自由を享受し、権利を行使する義務を負う」、このように変えた。

 新しい人権

人権、つまり、基本的人権とは、人たる以上当然認められる権利である。現憲法は伝統的な人権(表現・信教・学問・職業選択・思想良心の各自由等)をほぼ網羅するが、社会の進歩発展変化によって、人間として当然認められるべき権利が生じてくる。知る権利、プライバシーの権利、良い環境を享受する権利などである。

新改正草案は、個人情報の保護等に関して、「何人も自己に関する情報を不当に取得され、保有され、又は利用されない」と定めた。また環境の保全については、国の責務を定める。「国は国民が良好な環境の恵沢を享受する事ができるようその保全に務めなければならない」明文はないが、ここから環境権が導かれると、私は考える。

国民の知る権利については、草案にはない。規定されている「表現の自由」の中に含まれていると考える説が有力であるが、明文化した方がよいという説も有力だ。

情報を知ることは、民主主義の社会にあって不可欠の事である。これなくして、政治を判断し、批判し、参加することは出来ない。群馬県情報公開条例では、その前文に、「県は、県民の知る権利を尊重し、県の保有する情報を公開すると共に説明する責務を果たす」と定めた。

草案は、犯罪被害者の権利を定める。「犯罪被害者は、その尊厳にふさわしい処遇を受ける権利を有する」。従来、犯罪「加害者」の権利が厚く守られる一方、「被害者」の立場が無視されているという批判があった。(続く)

(憲法を理解する輪が広がる事を願って。読者に感謝)

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