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2006年5月 2日 (火)

憲法改正を考える。(2)

昨日、押しつけられた憲法であっても中味が良いものならよいではないかと書いた。では、日本国憲法の中味、そして特色はどのようなものか。

 中学の「公民」の授業でも教える日本国憲法の柱(憲法を支える基本原則)は、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義である。この三原則の中でも最も中心となるものが基本的人権の尊重である。基本的人権の尊重を確保するために、国民主権と平和主義が不可欠なのである。(国民より上に政治を決める主権者がいれば、国民の人権は害される。平和を尊重する国でなければ人間は大切にされない)

 これらの点は、世界の憲法の中で最も理想的な部類に属するものである。また、憲法は、極めて歴史的な産物である。というのは、近代憲法は、共通に、人権を尊重する原則を採用しているが、この人権の思想は、ヨーロッパの歴史の中で発達し、アメリカの独立宣言となり、また、フランス革命の人権宣言となって結実した。この思想の流れが日本国憲法の中に取り入れられ、その中心たる基本原則となっている。

 アメリカに「押しつけられた」といわれる日本国憲法の中味は、実は、このような人類共通の財産としての「理想」なのである。日本国憲法制定当初は、理想的過ぎると思われたこの憲法は、その後の世界の発展の中で、より現実的となり、輝きを増したといえる。

 ここで、寄せられたある質問を紹介する。それは、「憲法改正が問題となっているが、改正手続きに従えば、どんな改正も出来るのか」というものである。通説は、改正権には限界があり、ここにあげた、三つの原則は、手続きに従っても改正することは出来ないとする。

 現在、改正案が出されているが、右の三つの原則を改正しようという案はない。それ以外の点を改正しようとしているのである。

 第9条が最も議論される点であるが、これも、平和主義の原則に立った上で、改正しようとするものである。

 第9条は、「国権の発動たる戦争は永久に放棄すること」、「その目的を達するために、陸海空軍その他の戦力は保持しない」としている。そこで、自衛隊は、陸海空軍に当たるのではないか、だとすれば、憲法違反ではないかということが問題となる。

 この点、政府は、苦しい説明をしてきた。それは、9条が「放棄」する戦争は侵略戦争なのであって自衛のための戦争は放棄していない。従って戦力は持たないというのも侵略のための戦力のことで、自衛のための戦力は持てるというものである。果たして、9条はどう考えるべきか。(続く)

(憲法を議論する輪が広がることを願って。読者に感謝)

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