知事の政治姿勢・君子は和して同ぜず
一般質問最終日、亀山豊文議員は、知事の政治姿勢についてたずねた。そこでは次のようなやり取りがあった。
「平成7年知事2期目の当選後の議会で、知事は、群馬県全体があったかい雰囲気を持った、ほっとするような社会にしたい、と言っていましたが、今も考えは同じですか」
知事は少しも変わっていないと答えた。亀山議員は、最近、知事の表情は疲れているようだ、そして、笑顔がない、政治には笑顔が必要ではないか、という発言の中で、このような問いかけをしたのである。
知事はまた、次のように答えた。
「和して同ぜずということです」
知事の言葉は、論語の「小人は同じて和せず、君子は和して同ぜず」の後半部である。学徳のある立派な人は他人とよく調和して交わるが自分の立場を忘れて他人の意見に引きずられることはないというもの。前半の小人とは修養の足りない思慮の浅い人のことである。小人は考えもなくすぐ他人の説に同調するが心から和らぎ親しむことがないというもの。
論語の教えは、人々の日常生活の指針であるが、今日に通じる政治道徳でもある。私などは、時々、自分が小人であることを反省する。政治家は激しい渦中にあると冷静さを失い君子たるべきことを忘れがちになる。亀山議員の発言の意味をこの際しっかりと受け止めるべきである。
「自動車リサイクル法について」
昨年1月1日から始まった同法の対応について小林義康議員が質問した。これは重大な環境問題の一環であるが、リサイクル料金を車の所有者が負担する点で私たちの利害に直接関わることなので、正しい知識を持つことが必要だと思われる。
現在、国内で年間出される使用済自動車は約400万台と推定されている。この中で、部品等約80%はリサイクルされているが、リサイクル出来ないエアバック類、カーエアコンのフロン類などは主に埋立処分されている。これは、これらの部分を適切に処理するシステムがないことが原因であり、そのために不法投棄が増えたり、深刻な環境破壊が懸念されるようになった。リサイクル法はこの事態を打開しようとするもの。
本県では、同法施行後1年間で引取台数は約5万台である。関わる業者は登録・許可を要する。料金は車種により様々であるが、軽・小型乗用車で7千円~1万6千円、普通乗用車で1万円~1万8千円程度という。
なお、余談であるが、リサイクルに回すのを避けて中古車を海外に売ることが増えているといわれる。
(県議会の真の活性化を願って。読者に感謝)
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コメント
日本で廃車になった自動車がサウジアラビアなどに輸出されています。まるごと自動車のまま,あるいは補修用パーツとして,日本の自動車メーカーと取引のある国に輸出されます。
おもしろいのは,スバルの水平対抗エンジンの輸出です。レオーネに搭載されていたものが,確かギリシャに輸出されています。ギリシャはスバルの自動車を輸入していません。それなのに,なぜ?
実は,フォルクスワーゲンのエンジンが壊れたら,そっくりそのまま換装してしまうんです。
同じ水平対抗エンジン同士ですから。
日本の中古車が海外に投棄されている,という見方もできますが,最後の最後まで,有効に使われている,という見方もできます。
また,再度,溶かして鉄骨にする,などという使われ方もしています。急速に発展している中国では,そのような使い方をしているようです。
実は,自動車リサイクル法の理念とほとんど同じことを33年前に考え,実行した人物が群馬県にいます。
群馬日産の故天野氏です。
「自分たちが作った自動車は,自分たちで処理をする」
このように考えて「カースチール」を群馬トヨタなどのディーラーと共同で設立したのです。
日本で,確か3番目に,自動車部品のリサイクルに取り組んだ会社です。
かつては日陰産業などと呼ばれてた時代もありましたが,現在では,とっても大切な産業となっています。
投稿: mhiro | 2006年3月 5日 (日) 17:52