2009年7月11日 (土)

遙かなる白根(99)100キロメートル強歩序曲

③被告学校は、学校法人としての認可は開校後直ちにおりる旨告知していたが実際は、なかなかおりず、やっと中学校の部がおりたのが前記の通り7月になってしまった(但し、高等学校の部は未認可)。これらの結果、原告らの子供は昭和53年8月に寮を出て退学してしまった。

④被告学校は当初理想的な教育をめざし、寮生活には十分な健康管理と生活指導をするとか、教育指導には村井実慶応大学教授他7,8人の大学教授が指導するとか広言していた。しかし、被告学校の実態は全くこれと相違していた。

 原告は、これらの事実をあげ、従って払い込んだ金は、要素の錯誤があり学校との契約は無効だから返せと主張しているのである。

 以上に対し、被告学校は以下のように主張した。

①寮について、全寮制であること、寮が個室ではなくて大部屋であること、2段ベッドであることは入学前に生徒の父母には説明してあった。冬には室外の気温が零下15度に下がることは最初から明らかであった。暖房設備は冬にならなければ必要ないのであるが、開校当初からFF式という灯油を燃料とする温風方式の暖房設備を完備していた。建物は鉄筋コンクリート造ではないが、本建築であって、仮小屋や掘建小屋ではない。

②衛生設備には最も留意していたし、保健所の指導を受けていたので、保健衛生上の欠点はなかった。ただ一度だけ、所轄保健所から洗面所に石けん液容器を取付けるよう勧告を受けたので、直ちにこれを取付けたことがあった。又昭和53年8月頃、草津で水泳の合宿を行って帰校した後に15~16名が下痢症状を起こしたが、保健所の調査では草津の合宿所のユースホステルの食事が原因ではないだろうかという結論であった。また原告らの子の退学後の10月頃にも若干名が下痢を起こしたことがあったが、保健所で調べてもらったところ風邪が原因であろうとの結論であった。

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2009年7月10日 (金)

「新型インフルの新状況、振り込め詐欺の実態」

◇2126人(7月9日現在)94512人(7月6日9時現在、WHO)。これらは確認された、それぞれ世界と日本の新型インフルエンザウィルス感染者数である。今度の新型はほとんど若い人が罹患しているが、日本で60歳以上の感染者は22人いる。因みに、世界の死者は、今月6日の時点で429名である。

Photo_7  WHOが4月26日に新型インフルエンザ発生を宣言してから約2ヶ月半の間に新型ウィルスの波は全世界に及び、今月24日遂に群馬県で感染者が確認され、9日現在、感染者はあっという間に11人に達した。多くの人はあまり関心を示さないが、私たちは、これが強毒性であれば、という事を想定して受け止めるべきだと思う。それは、過去の新型の例からしても第1波で納まるとは考えにくく、第2波、第3波と続くうちに、強毒性に変異する可能性があるからである。世界ではタミフルに耐性を持つ「新型」が現われ始めている。

 新型といわれているスペインかぜでは、本県において、一度治まって、また息を吹き返すという状況が繰り返された。そして、大正7年から9年までの3年間で本県の死者は4454人に達したのである。

上の表は、群馬県史7の590頁にみられる統計資料である。

          

◇急激に増え出した県内感染者の状況を示す。

確認日

62436歳日本人男性、カルフォルニアから一時帰国。

  2933歳日本人女性、カルフォルニアから帰国、無職。

7333歳日本人男性、前橋市在住、会社員、渡航歴なし。

  3(A) 33歳日本人男性、前橋市在住、会社員、渡航歴なし。

76(B) 49歳日本人男性、前橋市在住、会社員、渡航歴なし。

  7日  2歳日本人女児、ホノルル市在住、渋川市に一時帰国。

  917歳日本人女子高生、安中市在住、ニュージーランドから帰国。

  9(C) 14歳日本人男子中学生、富岡市在住。

  920歳日本人女性、吉岡町在住、店員、フィリピンから帰国。

  9(D) 15歳日本人男子中学生、富岡市在住。

上の感染者における前橋市の(A)と(B)は同じ事業所に勤務。同事業所は患者の所属する部署の人を7日間又は3日間外出自粛としている。又、(C)と(D)は、富岡の同じ中学校の同じクラスの生徒。同中学では、今日(10日)から学校閉鎖となる。

◇振り込め詐欺は病める日本社会の象徴である。汗を流して働く事を嫌う倫理感のない若者がゲーム感覚で取り組んでいるようだ。

口先一つでこんなぼろもうけになる仕事はない。徹底して取り締らなければ、真面目な若者の勤労意識に最影響を与えることになる。

◎ 群馬県の振り込め詐欺   

昨年の発生件数  325件  一昨年に比べて+68件

   昨年の被害総額  4億9,610万円

  ※昨年の全国   20,481件  被害総額275億9,440万円

○平成21年 上半期発生件数  総計70件  (前年同期比-117件)

・オレオレ詐欺・・・14件(前年同期比   -60件) 

  ・架空請求詐欺・・・14件(前年同期比   - 2件)

  ・融資保障金詐欺・・13件(前年同期比   -17件)

  ・還付金詐欺・・・・29件(前年同期比   -38件)

○平成21年 上半期被害総額・1億700万円

                       (前年同期比 -1億8,000万円)

上の表は本県の振り込め詐欺を主な4類型に分けたもの。還付金詐欺が急増している。

◇年齢による被害状況では、「オレオレ」は60歳以上が約86%、還付金詐欺では60歳以上が約90%、また、いずれも女性の被害者が圧倒的に多い。

◇被害発生の時間帯では、「オレオレ」は11時から14時の間が79%、「還付金」では、10時から14時の間が97%というデータもある。(読者に感謝)

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2009年7月 9日 (木)

「体罰を考える。某高校の問題解決に向けて」

◇某商業高校で生じた体罰と生徒の不登校に関する私のブログは、わずかな量の記述にもかかわらず反響を起こし、多くのメールが寄せられた。私は同校の体罰の有無と程度について確かめたわけではない。しかし、バレー部の中で起きた事が原因で精神的に傷つき登校出来ない状態の17歳の少女がいるのは事実である。高校も教育委員会もなぜ早くこの生徒を救えないのかという疑問と憤りが私の中にある。8日、教育委員会の責任者と話し合ったが私のこの思いは変わらない。静かにうつむいた少女の横顔にはバレー部のエースとして活躍したことを偲ばせものがうかがえた。私は、少女の側に立つ弁護士とも話した。事態は、少女を救うという教育的見地からぶれることなく解決に向うと信じる。推移を見守りたい。

◇教員は、小学2年生(当時)の胸元をつかんで壁に押し付け、大声で「もうすんなよ」と叱責した。男子児童は精神的障害を被ったとして裁判になった。一審、二審は「体罰」に当たるとしたが、最高裁はこれらを破棄し、「教員の行為は、その目的、態様、継続時間などから判断して教育的指導の範囲を逸脱するものではなく違法性は認められない」とした。これは、今年4月28日の最高裁判決であり、大変注目された。

 私は今年の5月の議会で、この判例を取り上げ、体罰の判断基準をつくるべきだと主張し教育長の考えを質した。教育長は、「今回の最高裁の判決で体罰の視点がしっかりと示されたので、スタンダードな体罰の基準を作っていくことが大切だと考える」と答えた。

◇私のブログに寄せられたメールで興味ある話が紹介されている。それは、「20年前の息子の話を少しさせてください」で始まる。息子は厳しい監督がいるバレー部にいた。手やスリッパでの愛の鞭が常だった。ある日生徒全員が自分たちは話してもらえば理解できるしそのように頑張ろうと努力するから鉄拳を減らして欲しいと言って先生と交渉した。先生は子どもたちと正面から向き合って自分が力で抑えていたことに気づいた。生徒と先生との間に、いっそうの良い関係が生まれたのであろう。メールの主は、先生は、現在も人生の生きたバイブルですと振り返っている。(良い話なので引用させて頂きました)

◇運動部の指導には特別の面があると思う。精神的にも肉体的にも限界に挑戦して練習に打ち込むことに意味があるのだから先生と生徒の間には厳しさは了解事項となっているのだろう。いわば信頼関係をベースにして契約が成立しているといえる。難しい時代なのである。部活を指導する先生は、体罰の規準を認識しつつ行過ぎを戒める心がけが必要だ。万一問題が起きたら直ぐに最善を尽すという謙虚さが求められる。

引用したメールの例は、部活は信頼関係に基づいて先生と生徒が一体となって築いていくものだという事を教えている。某高校は、部活の原点に立って頑張って欲しい。(読者に感謝)

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2009年7月 8日 (水)

「また、無差別殺人・新型インフルは県内6人に」

◇またやりきれない事件が発生した。大阪市のパチンコ店にガソリンをまいて火をつけ4人を殺した男が逮捕された。消費者金融に200万~300万円の借金がある41際の男は、仕事も金もなく人生に嫌気がさした、誰でもいいから人を殺したいと思ったと話しているという。防犯カメラには、バケツでガソリンをまいてマッチで火をつける様子まで映っていた。

 この男は、自分の行為が死刑に結びつくような重大な犯罪になることを考えなかったのであろうか。自分の意志で自分をコントロール出来ない人が増えている。自暴自棄になって自爆するような人にとって、死刑は犯罪の抑止力になってはいないと思う。この犯人も、裁判員制度の下で死刑が問われるに違いない。

◇県議会の商工議員連盟の勉強会で、講師として中小企業振興条例案について話した(7日)。講師は私の他に高経大大学院の河藤准教授、中小企業家同友会の石田さんである。私はこれらの人と条例案づくりに取り組んできた。5月議会に条例制定の請願を出したが「継続」となった。既に存在する「ものづくり、新産業創出基本条例」の他になぜ新条例が必要なのかを納得させなければならない。「中小企業立県」、「新しい時代の中小企業像」、「多様な中小企業の可能性」などの言葉を使って真剣に説明した。若い中小企業の経営者が現実の体験から必要性を感じて研究会を重ねてきた成果が問われている。今日の勉強会で目的が達成出来たとは思わないが第一歩にはなったと思う。

◇新型インフルエンザの県内確認が6人になったが、新聞の見出しは小さい。いずれも軽症なのでニュースバリューが低いのだろう。しかし今起きている事実は、歴史的事実の一環に違いない。

 新型インフルエンザは、30年~40年の周期で現われるといわれてきた。後の時代から振り返って、「平成21年初めに豚インフルから生じた新型は弱毒性で被害はほとんどなく人々はすっかり安心していた。ところがその年の秋から翌年にかけ、変異した新型は手におえぬ怪物に変身、死者は続出して社会は一大パニックに陥った」という事にならないとも限らないのである。

 私は県議会にあって、早くから新型インフルに対して警鐘を鳴らしてきた。今は、新型発生の状況を記すことで警鐘としたい。県内感染の例は次の通りである。第一例・6月24日、米国から一時帰国した高崎市在住の36歳日本人男性。第2例・6月29日、米国から帰国した伊勢崎市在住の33歳日本人女性。第3例・7月3日前橋市在住33歳会社員男性。第4例・同じく7月3日前橋市在住49歳会社員男性。第6例・7月7日米国から帰国した渋川市の2歳女性。日本全体では7日の時点で1,852人、その中で60歳以上は22名。世界全体では感染者94,512人、死者は429人となっている。(読者に感謝)

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2009年7月 7日 (火)

「臨時議会、県警のDNA鑑定、教育界は一人の生徒を救えないのか」

◇3日間の臨時議会が始まった(6日)。百年に一度といわれる経済危機に対して国が重ねて大規模な予算設置を講じたことに対応する県予算の審議が目的である。国からまわってくる予算は県の予算措置と結びつかないと活かすことが出来ないのである。

 代表質問に立った真下誠治さんは、「昭和51年の臨時議会以来予算審議では30数年ぶりの臨時議会です」と述べた。昭和51年7月から9月にかけて全国的な異常気象に伴う冷害で農家は深刻な損害を被った。今回の補正予算の総額は約311億5千万円である。

 その中には、敷島球場の大規模改修の予算もある。これに対しては有効な予算の使い方かという疑問の声もきかれる。真下さんはこの点を知事に質した。知事は、この球場は老朽化しており、空調、照明も悪い、近県でプロ野球の規格を満たしていないのは群馬だけだ、改修によりプロ野球の公式戦誘置も可能となり子どもたちの将来の夢を育てることが出来ると答えた。

◇午後の警察関係の常任委員会で私は、足利事件を例に引いて本県の科学捜査態勢について質問した。「17年も拘束された後に無実だと分かった、これは警察や裁判に対する国民の信頼を失墜させることです。本県のDNA鑑定の対策はどうなっていますか」と発言して4点について質問した。その結果次の事が判明した。(1)現在の県警の鑑定装置は4兆7千億人から1人を識別できる最新のものである。(2)この度、やはり最新のもの二基が国から配布され計3基の体制となった。(3)鑑識棟を新たに作る。(4)DNAの資料は、条件を備えたマイナス62度の冷凍庫に保存する。(5)鑑定に当たる技術者2名を募集したところ69人が応募し、そのうち39人は大学院卒である。

 (4)は次のような質問に答えたもの。「足利事件で警察はDNAを常温のロッカーに保存したと批判されたが本県はどうなのか。最高検はDNAの再鑑定の要求が増えることに備えて地方の検察にその保存を指示したが本県の保存の状態はどうなっているか」

◇某商業高校で女子生徒の登校出来ない状態が続いている。この生徒、クラス担任、母親等に会った。この生徒は中学校以来バレー部のエース的存在だった。顧問の体罰(竹刀による殴打など)やひどい言動があり、いじめも生じ傷ついたようだ。この女子生徒は、現在神経科に通院している。事情を知る教員は校長、顧問以外は移動してしまい、現在の副校長、教頭は何も事実関係を把握していないらしい。校長は県教委の指示で謝らないといっているという。事実とすれば情けないことだ。母親は娘の名誉を回復して欲しい、監督の責任をはっきりさせるべきだ、学校は不当な対応を反省し公の場で謝罪して欲しいと訴えている。苦しんでいる一人の女子生徒を学校、県教委はなぜ救えないのか。教育とは何かという本質が問われている問題である(読者に感謝)

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2009年7月 6日 (月)

「県民マラソン、10kmへの挑戦」

◇私のズボンの右のポケットに10本のマッチ棒が入っている。これをグラウンド1周ごとに一本ずつ左のポケットに移すのである。3,4,5の3日間、私は、早朝、芳賀グラウンドを10周した。1周約400mはあるだろう。

 今年も11月3日の県民マラソンの受け付けが7月1日から始まり、昨年同様、事務員の香織さんが午前9時前から上毛新聞社で待機して受け付けを果たし。このこだわりは、私の意気込みを示すものである。毎年、10kmを60分以内で走っている。昨年は、60分以内とはいえ、体調がベストでな、くかなり苦戦をして、タイムはよくなかった。私は健康管理がまずかったと反省した。今年は、期するところがあって、早くも県民マラソン10キロコースに備えた練習を始めたのである。私なりの記録を気にするのは、それが体調を示すものであることと、ここで達成感を味わえるか否かは心の橋頭堡 を築く上で私にとって重要な意味を持つからだ。

 マッチ3本までが苦しい。5本目で苦しさは消えてペースに乗れる。なぜマッチ棒かというと、単調に回るうちに何回目か分からなくなることがあるのだ。

 グラウンドのサッカーのゴールの鉄柱に秋田犬のナナをつなぐ。ナナは離れていく私にワンワンとほえる。私には、「頑張ってー」という声援に聞こえる。ナナのところに近づいて鉄柱にバンとタッチしてからマッチを移す。左のポケットが空になったときは、思わず「やったー」と快声をあげる。ナナも嬉しそう。苦しさに耐えて走ることは人生に似ている。私の場合、走れることは身体の錆を振り落として老化に挑戦することを意味する。走りながら今年4月、中国で泰山の3700段の石段を駆け下りたことを思い出した。

◇自民党1区の役員会が開かれた(5日)。前日、私は、中曽根外相が出席するという連絡をうけた。急いで、「次第」に来賓の項を設け、ここで挨拶を頂いた。外相の挨拶の中で次の点が注目された。「民主党の小沢さんは、米軍の配備を少なくして、第七艦隊だけでよいといっているが非現実的だ。北朝鮮をめぐる状況からしてもそれで日本人の命を守れるとは思われない」。

続いて尾身代議士も次のように語った。「民主党はインド洋の給油にも反対している。安保の基盤を壊していくように感じる。国際協力をしないでなぜ日本の安全を守れるのか」

とにかく迫る総選挙は民主党との天下を賭けた戦いとなる。政権を明け渡す結果になるとしても、死力を尽くすことが、民主主義の発展につながる。

◇県柔道界の出来事が2つあった(5日)。一つは山本崇夫さんの急逝で私は弔辞を読んだ。文武両道の人であった。数学者ピーター・フランクルと親交があり私のふるさと塾のメンバーで東方見聞録を原書で読んだ。死後、8段を贈られた。武士道を貫いたような人生だった。二つ目は3人の8段昇段祝賀式。「講道館の新館長は一本を取る柔道を世界に発信するといっているが、素晴らしい。たとえ負けても、それが本物の柔道、日本の柔道を世界に広めることになる」私はこう挨拶した。(読者に感謝

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2009年7月 5日 (日)

遙かなる白根(98)100キロメートル強歩序曲

かつて理想の教育を求めて山に上った人々がついに訴訟という手段に訴えて学校と争うことになった。理想は、星空に描く美しい絵に過ぎなかったのか。山に残った生徒はどうなるのか。派手なマスコミの報道もあって、世の関心はこの訴訟の行方と山の学校の存亡に集った。

この訴訟は、白根開善学校を産み落とす最後の陣痛であった。落胆して山を下りた人々の失うものは大きかった。寄付金や入学金、この間に費やしたその他の経費など、物質的な痛手以上に、失われた時間、理想の教育に対する失望、かつては見切りをつけたはずの下界の学校へ戻らねばならぬ苦痛など、人々には耐え難いことであった。「なぜか?」その答えの一つを訴訟の場に求めたのも無理はない。

この訴訟は約2年で和解となって終結するが、そこで、請求原因事実として主張されたこと、これに対する被告の答えなどは、当時の学校の混乱を語るよい資料なので、ここで紹介する。

原告は、請求の原因、つまり自分の請求を基礎づける事実として次のようなことをあげた。

    全寮制でその設備は充分ととのっていると言われていたが、現在は大部屋に2段ベッドが並べてあるだけで、冬には零下15度になるというのに暖房設備は全くなく、正に掘立小屋を大きくしただけである。衛生施設も完備されてなく生徒の中には中毒現象を続々起こすありさまであり、寮内での生徒に対する指導は全くなく、酒・タバコをのむ生徒も放置され、盗難が多発している。

    授業は教諭が満足に揃わず、新たに赴任した教諭は学校の施設を見て教育に熱意を失い、極めて短期間で辞めてしまい、残る教師の一部は生徒と共に酒・タバコをのむ状況である。又教諭の一部は生徒からその授業の間違いが指摘される程度の能力しかないものもいた。

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2009年7月 4日 (土)

遙かなる白根(97)100キロメートル強歩序曲

新たな展開・しかし、ついに裁判ざた

群馬県議会が動き出したころ、県の担当課である学事文書課は、次のように語っていた。

「すでに中学校の法人認可はおりており、手続きを踏んで高等学校設置の資金準備など進めてほしい。除雪、暖房など越冬対策について側面的指導も行っており、来年度予算に私立中学校として経常費補助も要求している」

 高等部設置が行き詰まっている主な原因は資金であった。本吉氏が当初あてにしていた事業家の支援は得られなくなり、一般からの寄付もなかなか集まらなかった。本吉氏は自分の預金をはたいた。そして、本吉氏の親族はぎりぎりまで支援した。大阪でホテルを経営しながらぎりぎりまで寄付を続けた本吉氏の実父、老後のために用意していた金の全部を出した本吉氏の義父など。そして、父母や新入生などの負担、民間からの借り入れなど、山の学校の財政はまさに火の車であった。

 このような状況の中、昭和53年12月18日、寄付金返還請求事件訴訟が東京地裁に提起される。そして昭和54年9月20日には、さらに入学金等返還請求事件訴訟が同じく東京地裁に提起された。

 昭和54年9月21日の各紙は、一斉にこの裁判ざたを大きく取り上げた。例えば、

「白根開善学校、ついに裁判ざた、退学生家族が訴訟」(上毛)

「入学金など返還請求・新教育つまづく」(朝日)

 そして、この訴えに対し、本吉氏は、記者の質問に答えて言った。

「真剣にこの問題を受けとめたい。日本の教育の現状の中で、理想の教育を少しでも実現することで訴えにこたえたい」。

また、学事文書課は、次のようなコメントを出した。

「県私学審議会の答申を受け認可したが、認可にあたり立地条件が厳しいので、安全のため地元と十分連絡をとるよう、また理科の実験材料などを充実するよう指導した。現在は新しい寮も出来、一室4人制になっており、55人いる生徒の父兄らは“だんだんよくしていこう”と話し合っているようだ。教育の見方の違いもあるようだ」

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2009年7月 3日 (金)

「国宝ハニワ、大魔神が群馬に」

Photo ◇明日(4日)から始まる埴輪展に県は大変な力の入れようである。「群馬県立歴史博物館開館30周年記念展」である。ポスターにその意気込みが現われている。冑(かぶと)を被り腰の刀に静かに手をかけた埴輪像に、「国宝、武人ハニワ、群馬へ帰る!」というタイトルが躍(おど)る。更に、サブタイトルは、「これが最後、東と西の埴輪大集合」となっている。「群馬へ帰る」というのは、現在、東京国立博物館の所蔵となっているが、今回、生まれ故郷の群馬に里帰りするという意味である。太田市の長良神社の境内から土木工事中に発見されたのである。完全武装の東国武人を表現するこの作品は極めて優れたもので、上毛(こうずけ)の名工が作ったものに違いない。埴輪では唯一の国宝である。海外へは一度出陳されたが国内で館外に出されるのは今回が初めてのことだ。

歴史的には、上毛国(群馬県)で埴輪文化が盛んであったこと及び私たちの祖先が高い文化を持っていたことを示すものだ。今日的には、物づくり群馬の原点に置いてもいいだろう。

◇冑の下にのぞく武人の表情は、誠に柔和でまだ少年のように見える。これが魔神になって生きかえる姿を想像すると不気味である。

 かつて映画会社大映が社運を賭けて作った特撮映画「大魔神」の中に登場する穏やかな表情の石像は、今回の武人埴輪をモデルにしたものだといわれる。戦国時代、悪人が民衆を虐げると、静かな優しい表情の石像は悪鬼の表情で甦り巨大化し大魔神となって破壊的な力を発揮する。大魔神シリーズは3作まで続いた。1966年(昭和41年)のことであった。

 武人は、九州の防衛につかされた防人(さきもり)かも知れない。防人は、当初、東国兵士から選ばれるのが慣例であった。武人埴輪は久しぶりに群馬に戻って何を感じるであろうか。世の中の変化にただ仰天するだけか、それとも現代の世相に怒り大魔神に変化してあばれ出すのか。そんな事を想像しながら今日はゆっくりと対面してみたい。午前11時からオープンニングのセレモニーが行われる。

◇認知機能検査の問題を見た。今月1日の特別委員会で総合交通センターを訪ねたのである。年月日、曜日、時間などを回答させたり、あいうえおを示して逆から記入させる問題などがあった。年は、西暦でも平成でもいいですと担当官は説明していたが、2009年とか、平成21年とかがとっさに浮かばない人は高齢者でなくもいるだろうと思った。

今月1日から施行された道交法で75歳以上の人に義務づけられた。県内の対象者は7万1千人。認知能力低下が原因とみられる高速道の逆走も多発。交通事故による県内の死者は念願の百人以下となったが、高齢者はその中で約4割を占める。

認知検査は一つの材料とされる。信号無視などの違反、専門医の診断と合わせて免許取り消しが行われる。車が頼りの高齢者は多い。今後、これは益々大きな問題になるに違いない。(読者に感謝)

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2009年7月 2日 (木)

「完成間近の重粒子線装置を見た」

◇「光の速さの70%、一秒間に地球を5周する速さでがん細胞を照射します。加速器の電圧は約4億ボルト、機械にかかるお金は約90億円です」案内役の教授の説明は続く。熱さ3mのコンクリートの壁に囲まれて線形加速器とシンクロトロン加速器が並ぶ光景は、宇宙基地の実験場を思わせる。

1日、「安全安心なくらし特別委員会」は、群大の完成間近な重粒子線照射施設を視察した。人類を宇宙に送り出す程に発達した科学技術をもってしても体内の細胞に生じたモンスターを克服出来ないのが現状だ。がんは人類最大の敵である。重粒子線装置は、この敵に立ち向かう最前線きちものである。装置の物物しさは、がんが如何に強大であるかを物語る姿に見えた。

県と市町村が巨費を負担したこの銃粒子線施設は、今年3月に機械装置の搬入が終わり、間もなく加速器の試験を始め、来年3月には患者の治療に入る。1日60人から70人の治療が予定される。画企的な事だ。画企的であることの意味は、重粒子線の完成を機に群馬のがん治療の全体をレベルアップさせ、群馬をがん治療のメッカにすることが出来るチャンスが到来したということだ。

切らずに短期間で治療し、根治も可能なこの施設に期待する人は多い。重粒子線治療を受けるためには、がんであることをきちんと告知されていること、悪性であること、広い範囲の転移がないことが必要である。

重粒子線治療の効果が明らかながんとして次のものが挙げられている。肺がん(1期)、肝臓がん、すい臓がん、前立腺がん、直腸がん、骨腫瘍、頭頸部がん、眼腫瘍、頭蓋底腫瘍、等である。

なお、重粒子線治療に関する相談窓口がすでに開設されている。受付は平日の9時から16時迄で、「重粒子線治療相談希望」と申し出ることが求められる。電話は027-220-7891である。来年3月の開設までの期間、他の重粒子線治療センターへの紹介も行っている。私の知人は千葉の放医研で前立腺の治療を受け完治した。

群大へのこの施設招置に力を尽くした尾身代議士はハーバード大が提携を申し込んでいるとよく話に出すが、それは、群大が小型化に成功した最新施設として国際的に注目されていることを意味しているのである。

◇この日、特別委員会が最後に訪れた調査先は「人とくるまの科学館」。前橋市の「総合交通センター」の中にある。バイクにまたがってエンジンを吹かし映像の中を突っ走る。ケータイからの110番の体験、横断歩道で不注意があると車が迫ってドカーンとなる。親子で楽しみながら「交通社会人」を学べる穴場である。多くの人が訪れている。深刻な高齢者の交通事故の状況を視察した。認知症のテスト用紙を見た。本県最高齢者のドライバーは98歳の男性である。(読者に感謝)

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«「セックスによる子宮頸がんの拡大は深刻だ」