「参院選の序盤状況は語る。参政党の移民政策に思うこと。発展途上国との連携と人口減少社会」
◇福島の視察の旅で、時々参院選のポスターが目につき気になっていた。3日告示、20日投開票の参院選は早くも序盤戦に突入した。時代の大きな節目を映した激変が感じられる。選挙の行方は社会の奔流の先にある。都議選が前哨戦と言われたが、その都議選もその前から続く一つの方向を目指した流れの中にあったと見なくてはならない。どす黒く動くのは政治不信という名の怪物である。裏金問題、石破首相の商品券問題、国会の論争で交わされる言葉の軽さ、国民はそれをじっと見ている。矢面に立つのは自民党である。野党は一つになれないから与党をとことん追い詰めるのは困難だろう。しかし更に議席数を減らせば内憂外患の荒波を乗り切ることは一層困難になる。庶民にとって最大の課題は物価高である。あらゆるものがじわりじわりと値上がりしている。硬貨を握ってコンビニに飛び込んだ時、それで買える物が日に日に少なくなっている。お金が軽くなっているのだ。
◇自公苦戦の大見出しが躍る。一方、立憲民主党は堅調で改選22議席を上回る公算が大きく、国民民主党と参政党は勢いを見せているらしい。
政権選択選挙と見る向きは多いが、その可能性はあるのか。多数決、議員内閣制の下では現与党体制を変えることは困難であるが、政権選択のかけ声が世論に与える影響は大きいのではなかろうか。
◇参政党の急伸には危機感を感じる。全45選挙区に候補者を立て保守色の強い政策を掲げる。保守色が強いという実態は移民政策に現れている。日本の社会を守るためと称して移民の受け入れを制限しようとするもの。目先の利益、目前の害を避けようとして移民を制限することはアメリカのトランプの政策と繋がるものがある。日本は急激な人口減少社会の中にある。一方、福祉や建設など各分野で外国人労働者に頼らねばならない情態にある。また移民を厳しく制限することは人道主義に反する恐れもある。現在アメリカではトランプの不法移民の取締りに対し全米で凄い抗議デモが起きている。日本は今後ますます発展途上国と連携を密にしなければならない。移民に優しい国であることは日本の国益に合致する方向である。7日、私が理事を勤める日本アカデミーで入学式があった。多くの国々、その中味は東南アジアが多い。多くの若者は日本語と日本の文化を学び、やがて日本の社会を支える存在になる。移民に寛容であると同じに日本の文化を守らねばならない。(読者に感謝)
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